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腱鞘炎とは?手指の痛みの原因と治療法

腱鞘炎とは、筋肉の力を手足の先端まで伝えるひも状の「腱」と、腱の浮き上がりを抑えるトンネル状の「腱鞘」の間に起こった炎症のことです。

腱鞘炎の原因は使いすぎによるものが一般的です。
金属疲労と同じで、同じ動作を繰り返すことで特定の部分に負担がかかり、腱と腱鞘の間にある潤滑液が不足して摩擦が起こり、腱のすべりが悪くなることが原因です。

腱鞘炎の発症部位で最も多いのが親指の手の甲側で、「長母指外転筋腱」「短母指伸筋腱親指」と呼ばれている部分です。
この部分に腱鞘炎が起こると、親指を動かしたときに付け根から手のひらへ引っ張られるように感じたり、手首の関節が痛んだりします。

腱鞘炎が起こるときはその部分だけではなく体全体の筋肉が疲労している状態なので、適度に休息をとって体力を回復させることが大切です。

腱鞘炎の痛みは、低周波、温熱、冷却、ステロイド注射なので一時的に紛らわすことは可能ですが、重症の場合は手術が行われることもあります。


腱鞘炎の主な治療法は以下のとおりです。

・ステロイド剤注射
整形外科では、痛みを抑えるために短期型の非ステロイド系抗炎症剤が注射されますが、症状が慢性化している場合は腱鞘部分に直接ステロイド注射をします。

・電気・温熱療法
マイクロウェーブやレーザー光線などの温熱を使って筋肉の緊張を和らげる治療法です。鍼や灸にも筋肉をほぐす効果があります。

・装具療法
炎症がひどく、患部を動かさない方がよい場合には患部を固定する装具療法が用いられます。

ばね指とは?親指の腱鞘炎の原因(ゴルフ・リウマチ・糖尿病など)と症状

ばね指とは、腱鞘炎の中でも一般的な狭窄性腱鞘炎の代表的な病名のひとつで、手指の屈筋腱に起こる炎症のことです。
「弾発指」とも呼ばれ、特に手の親指に怒りやすく、痛みは手のひら側に生じます。

指の腱は、指を曲げると手首側に引っ張られ、指を伸ばすと爪側に引っ張られる仕組みになっていますが、指の腱や腱が通る腱鞘が炎症を起こしていると、腱と腱鞘が擦れて痛みを感じるようになります。

さらに、炎症を起こして腫れ上がった腱は腱鞘を通りにくくなり、無理に指を伸ばして通そうとしたときに「パチン」と音がすることがあります。
これが「ばね指」で、症状がひどくなると指が曲がらなくなったり伸びなくなったりすることがあります。
重症の場合は手指を動かしただけで痛みを感じるたり、指が伸びたまま、または曲がったまま戻らなくなることもあるため、日常生活に支障をきたします。

ばね指は、仕事や趣味、家事などで日常的に指先を動かしている人によく起こる症状で、男女別では筋力が男性に比べて弱く、家事や育児など日常生活で手や指を使うことが多い女性によくみられます。
特に妊娠や出産を経験する20−30代の女性や、更年期を迎える50代以降の女性はホルモンバランスに変化がみられるため、ばね指の症状が出やすくなります。
筋肉が老化する高齢者やむくみやすい体質の人も要注意です。
ばね指の主な原因は体質であるため予防法はありません。

他にも、ゴルフが趣味の人で、ゴルフクラブを強く握り締める癖のある人、関節リウマチの人、糖尿病患者などにばね指の症状が出やすくなります。

手指の腱鞘炎『ばね指』の治療法と手術

ばね指は、症状の程度にもよりますが、適切な休養と治療によってよくなります。
しかし、ばね指の症状は職業や家事など日常生活の繰り返しが原因で起こることなので、完全に休めることはなかなか難しいものです。

症状が比較的軽いうちは、痛みを感じる部分を中心に手のひらから肘までかけての部分をゲルクリームなどで疲労を回復させるようにマッサージし、痛みをクールダウンさせましょう。
その後、患部や手にあるツボに磁気テープなどを貼ったり鍼を打ったりすることも効果的です。
鍼治療を受ける場合は、効果がすぐに現れるとは限らないため、2−3ヶ月通ってみるとよいでしょう。
カイロプラクティックで関節のゆがみを矯正し、神経系の働きを整える方法もおすすめです。

就寝時に無意識に指を動かしている場合は、ばね指の症状がある指の第1−3を楽な状態で固定するようにテーピングをしてから寝るとよいでしょう。
幅5センチ程度のキネシオテープを指に一周巻くだけで痛みが楽になる場合もあります。

病院では、患部の腱と腱鞘の間にステロイド剤や局所麻酔などの注射を打つことで腱のすべりを良くする治療が行われます。
整形外科の中に、ばね指や腱鞘炎など手に関する症状を専門に扱う「手の外来」を設けている病院やクリニックも増えているので調べてみましょう。

なかなか症状が良くならない場合や慢性化している場合は、指の付け根を5ミリ程度切開しその下にある腱鞘を切る手術を行います。手術後3日目には抜糸可能で日常生活にもすぐに復帰できます。

腱鞘炎・ばね指の治療を得意とする病院の紹介

・埼玉成恵会病院
■所在地: 埼玉県東松山市石橋1721(東武東上線森林公園駅徒歩7分)

埼玉成恵会病院には、TV東京系「主治医が見つかる診療所」で、「手のプロフェッショナル」として紹介された児島忠雄医師が在籍しています。
児島医師は「手の外科」というなじみの薄い分野に従事して40年の経験があり、埼玉手の外科研究所の所長も務めています。
児島医師が得意としているのは、ステロイド剤と局所麻酔が入った直径わずか0.3ミリの注射を痛みを与えないよう確実に局部に刺す方法で、痛みを取り除き、局部を動かすことでばね指・腱鞘炎の治療をすすめています。


・吉野整形外科手の外科専門外来
■所在地:横浜市神奈川区大口通56-5 大口メディカルセンター1F(JR横浜線大口駅徒歩1分)
■診療時間:8:30-12:00 14:30-18:30 
■休診日:土曜午後・日・祝

 整形外科領域の中でも特に手の障害を治療するために必要な知識と技術を修得した「手の外科専門医」が在籍している整形外科です。
慶應義塾大学整形外科「手の外科グループ」所属の亀山医師の診療は、毎週木曜日午前中に行われています。


・済生会横浜市東部病院手の外科
■所在地:神奈川県横浜市鶴見区下末吉三丁目6-1(JR・京急川崎駅バス15分)
■診療時間:月9:00-11:00、13:30-16:00、木13:30-16:00

日本手の外科学会認定「手の外科専門医」「日本手の外科学会評議員」「神奈川手・肘の外科研究会世話人」である山中医師が、腱鞘炎やばね指など手の疾患の専門的治療を行っている病院です。
診療には紹介状が必要になります。
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